酔いどれ日記 2022年5月

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5月30日(月)
神室連峰・禿岳(1,261.4m)

禿岳(かむろだけ)は、宮城県大崎市鳴子温泉鬼首と山形県最上郡最上町とにまたがる標高1,261.7mの山です。「小鏑山(こかぶらやま)」とも呼ばれ、鬼首カルデラ外輪山の最高峰であり主に花崗閃緑岩で成り立っています。なお、その急峻な山容から「リトル谷川岳」という愛称で親しまれていて、すぐ近くの神室山と区別するため「はげかむろ」と呼ばれる事もあるようです。

先月4月は、1ヶ月間に4回も神室山地方面の山を登っています。神室連峰の山々は、アップダウンが激しく結構ハードです。そのせいで無理が祟ったのか?未だに左ひざの痛みが取れず、今回は大事を取って歩行時間の短い禿岳を登って参りました。平地を歩く分にはそれほど痛みは感じませんが、階段の上り下り時には痛みを感じます。

かといって、病院へ行くほどの激痛ではなく、中途半端な感じなんです。よって、しばらく様子をみよう!と思っているのですが…。来月からの沢シーズンに備えて「無理はしないように!」と心掛けています。禿岳の登山口である花立峠は、標高796mにあり山頂までの標高差は、たったの465.4mしかなく全行程 約3時間ほどのお手軽山行となりました。

膝をいたわっての山行ですで体力的には楽なのですが、なにせ遠いです(宮城と山形の県境)。我が家から170キロもあり片道3時間(往復6時間30分)を要しました(R1の西和賀町~湯田~雄勝こまちIC~秋ノ宮温泉郷)。

最近の山行記録を拝見すると「お花が咲き乱れ とても綺麗!」とのことで楽しみにしていました。それに…禿岳山頂より先月通いつめた神室連峰の山々をこの目で見たいと思っていましたし。

花立峠登山口より7時45分に登り始めました。人気の高い山で駐車場には既にたくさんの車が停まっていました。それにしても、今日は風がとても強いです。登山口でこの強風ですから、山頂は…と思うと先が思いやられます。

いつものことながら、歩き始めの30分は膝の痛みに堪えながら登っていきます(30分過ぎると痛みが徐々に緩和)。山開きがなされたばかりで登山道が綺麗に整備済み!歩きやすい登山道です。花もたくさん咲いているし、何よりブナがとても綺麗♪展望も良く登っていて楽しい登山道で人気のほどが伺えます。

さすが東北100名山です。登ること1時間50分で山頂に着いちゃいました!山頂からの展望は、雲に覆われ神室連峰の山々は裾野しか見えませんでした。どうにか虎毛山は見えましたが…。下山中、たくさんの登山者に会いビックリ!下山したら駐車場は満杯で道路にはみ出て停めてある車が多数。

西和賀町を経由するR1は、本日錦秋湖マラソン開催のため午後1時まで交通規制で通行止めとのこと。よって、時間調整のため高速道は使わず下道を走り横手の幸楽苑で無性にチャーハンが食べたくなってBセット(餃子+絶品半チャーハン+スープ)620円を頼みました。

午後1時過ぎにR1を通り真昼温泉(440円)に寄って汗を流し自宅に戻りました。長距離運転と軽登山で良い気分転換が出来た素敵な一日となりました♪ほんと緊張感が全然なくマッタリ&のんびりとした山行となりました。PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね~!

●『画像掲示板』新緑の金ヶ崎駒ケ岳


5月26日(木)
膝の痛みとホームページ

そろそろ来月からの沢シーズンに備えて足慣らしに簡単な沢にでも入ろうかな?と思うものの、膝の痛みが今一つ治らず大事を取って「里山歩き」を2週連続で行いました。本当は山にも行かず安静にしているのが一番良いのでしょうけど…。やはり、週に一度は気分転換したいし自然の空気を思いっ切り吸いたいところです。

で、今週末はどこへ行こうかな?って、考えるのも楽しいひと時なんです。今週末も大事を取って「お花見ハイキング」にでも行こうかな?って思っています。現在、遠距離遠来中の彼女(Fちゃん)の膝のMRIによる診断結果が出ました。半月板損傷のようです。幸い手術しなくても良いみたいで、注射やお薬、リハビリで治療するそうです。

来年は、還暦のお祝いに二人で富士山を登ることが夢の一つでしたが、今は「箱根の金時山」を一緒に登ることを目的にリハビリを一生懸命頑張ってくれているようです。一方、私の膝の痛みは一過性のものなのかどうか?今は様子見状態です。過去、何度か膝を痛めたことがあり、その時は一過性(山に登り過ぎによる膝の炎症)でしたので、安静にしていることで完治しました。

ちょうど一年前には手首を痛め(三角線維軟骨複合体損傷)その前の年は腰を痛め、さらにその前には膝を痛めたりで…。加齢と共にあちこちガタが生じ始めているのかな?今回の膝の痛みは、平地を歩く分にはそれほど痛みを感じませんが、階段の上り下り時に痛みがあり手摺に摑まらないと厳しい感じです。お風呂に入ると大分楽になりますが…。一週間前に比べると多少痛みが緩和されてきているように思います。とにかく今は、ハードな山行は避けるようにしています。

話変わって…5月14日(土)から今日までの12日間、一心不乱、無我夢中になって例の問屋さんのホームページ作成にまい進していました。まさに寝食を忘れ授業以外は朝から晩まで作り続けていたのです。我ながら自分の集中力にはビックリです。

デザインも決まり良い感じに仕上がって参りました。今後はクライアント様から提供される写真や文章を入れ替えて、詳細をツメて完成に向け さらに頑張って参ります。やっと、とりあえず一段落ついたかな!って感じです。

ホームページ作成で一番頭を悩ますのが「デザイン(特にトップページ)」です。デザインさえ決まれば方向性が決まり、作業は一気に加速します。そのデザインの考案で膨大な時間を費やしていたことが、過去ネックになっていました。で、それ以降反省し暇さえあれば「デザインをストック」するように心掛けたのです。

優れたホームページデザインに出合った際「どうすればばそのようなデザインが作れるのか?」を研究し、自分なりに真似て作り「ネタ帳」にストックするようにしました。今回、短期間で問屋さんのホームページイメージが作成できたのも、これまで長年作り溜めた「デザイン ネタ帳」のお陰なんです。デザインのネタ帳作りは、自分のHP作成技術のレベルアップにも大いに役立っています。さらに、デザインの流行にも敏感になりました。山もホームページも何事も日頃の地道な積み重ねが大切で「ローマは一日にして成らず」「塵も積もれば山となる!」なのかな?と実感している次第です。


5月21日(土)
新緑の金ヶ崎駒ケ岳

本日、本当は秋田県は太平山地の大石岳(1,058.8m)を登ろうと考えていました。大石岳は過去2回登っています。一回目は2017年4月6日の残雪期に。二回目は、翌年の2018年8月11日にSさんと沢登りで!超マイナーな西又沢右俣を遡行し大石岳の山頂に立ちました。当時の登山道は廃道状態!沢は当たりで大変素晴らしかったのですが、下山時の登山道で強烈なヤブ漕ぎを強いられ苦労したことが思い出されます。

ところが…去年2021年秋にこの大石岳に至る登山道が刈り払いされ整備されたことを山仲間のヤマレコにて知りました。これにより大石岳山頂にダイレクトに突き上げる西俣沢右俣の遡行価値が高まる!と確信しました。

白い岩肌の美しさに小滝の連続で、飽きさせずとても楽しい沢でした。今年の「クライミング仲間の沢案内」は、この沢にしようかな?と考えているほどです。ちなみに、去年はクライミング仲間9名を五葉山の桧山川に案内しました。

本当は大石岳に登りたかった私ですが、先週から左膝の痛みが治らず「大石岳の急登には堪えられないかも?」と心配になり、急遽予定変更!午前中勝負で登れて体に優しい金ヶ崎駒ケ岳(1,129.6m)を登ることにしました。まさに「癒しの山」で私のお気に入りの山の一つ!過去3年連続で登っています。午後からホームページ制作の仕事の続きをしたかったことも理由に挙げられます。

この一週間、授業以外の時間は全て(朝から深夜まで)ホームページ制作に専念しています。「(デザインの)生みの苦しみ」とも言いましょうか?没頭し過ぎて夢にまで出てくる有様なんです。寝ても覚めてもホームページのことばかり考えています。

明日は日曜日で本来はお休みなのですが、ホームページ制作の仕事にガッツリ集中する予定です。授業がありませんので、思いっ切り専念できて嬉しい限りです。この一週間 無我夢中!かなり作り込むことが出来ました。自分で言うのも何ですが、かなり「いい感じ」になってきていると思います。

そうそう、金ヶ崎駒ケ岳の山行報告をしなくっちゃ!ですね。朝はのんびり5時半過ぎに自宅を出発し、7時25分に登り始めました。過去2年連続で5月上旬に登っていますが、5月下旬に登るのは初めてです。2週間の差でこんなにも雪が無くなるのか!と、ビックリしました。

相変わらずブナの新緑の美しさには心が奪われます。カタクリやショウジョウバカマ、シラネアオイが咲き乱れ、ほんと綺麗でした♪登ること2時間、金ヶ崎駒ケ岳の山頂に到着しました!山頂付近は残雪がタップリ残っていましたが、概ね登山道通りに歩くことが出来ました。ちなみに下山は1時間10分。合計3時間10分のお手軽山行で良い気分転換が出来ました♪

下山後は、金ヶ崎温泉・駒の湯にて入浴(500円)、その後、花巻の中村屋食堂にて「いつものステーキ定食(1,200円)を食べました。このボリュームで1,200円とは驚きです。山と温泉とステーキで、本日も良い気分転換が出来たことで、さらにホームページ制作に専念できそうです。PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね~!

●『画像掲示板』新緑の金ヶ崎駒ケ岳


5月15日(日)
ホームページと新緑の高田沢山

私が運営するパソコンスクールむげんでは、現在三つのホームページ制作の依頼をいただいています。① 西和賀町関連のホームページ(生徒さんと作る共同制作コース)② メンズ脱毛サロン(共同制作コース)③卸し問屋(最近 花巻の企業様から受注)。①と②に関しては、当スクール一番人気のホームページ作成講座の授業として生徒さんと一緒に作っていきます。

一方、③に関してはWeb制作会社として受注しましたので、頂いた資料を基に概ね私一人の力で作っていきます。納期は絶対に厳守しなければなりませんし、授業の合間や仕事が終わった後の限られた時間で制作に励みますので、これから2ヶ月間は多忙な日々が続きます。せめて、週に一度のお楽しみ(生きがい)でもある「週末山行」くらいは続けたいものです。沢シーズン本番前にはある程度「形にできたら…」と考えていますが…。

コロナ禍の中、こうやってお仕事がいただけることは、本当にありがたいことです。数あるホームページ制作会社の中から当社を選んで頂いたわけですから…。西和賀町も脱毛サロンも問屋さんも、私が初めて制作する業種のホームページで、勉強しなければならないこと、たくさんあります。勉強することは仕事柄大好きですので、まったく苦になりませんし、新しいことを学ぶことには 魅力すら感じます。

てなわけで、本日は西和賀町関連のホームページ制作に必要な写真を撮影したくて、趣味と仕事を兼ねて2年前に地元有志によって登山道が開拓されたばかりの高田沢山(新緑のブナの森を撮影したくて)を登って参りました。

下山後には、同じく西和賀町の安ヶ沢のカタクリ群生地に寄って参りました。高田沢山は今年2022年 厳冬期の2月14日に登っています。標高が725mしかない里山ですが、ブナの森が素晴らしく「新緑の時期に登ってみたいな♪」と思っていました。

午後からホームページ制作の仕事に励みたかったので、午前中勝負の山行です。朝早く出発し6時40分には登り始めました。相変わらず左膝が痛みますが、どうにか登れそうです。登り始め早々、ブナの新緑の美しさに身も心も奪われました。ウットリするほどの美しさは感動モンです。2月の厳冬期に登った時と、まるで雰囲気が異なり「別な山」を登っている感じでした。

今回の山行目的は、ホームページに使用する新緑のブナの写真撮影です。本日は、風が強くどんよりした曇り空で肌寒かったですが、逆にギラギラお天気でない方が 写真撮影には向いているのです。結構素敵な写真が撮影できたかな?と思っています。登り1時間35分、下り45分。合計2時間20分のあっという間の山行でした。下山後は、カタクリの群生を撮影したくて「安ヶ沢カタクリ群生地」に行きましたが、時期が過ぎていて既に終わって(散って)いました。いつもは、帰路に外食するのが楽しみなのですが、時間が早過ぎて断念…。

結局、近所のセブンイレブンでカレー弁当を買って自宅で食べました。11時前には帰宅でき、午後からホームページ制作の仕事にまい進することが出来て嬉しい限りです。PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね♪上の写真は、高田沢山の山頂にて。下の写真は美しいブナの森。

●『画像掲示板』新緑の高田沢山 in 西和賀町


5月12日(木)
Fちゃんの夢と膝の痛み

山や里、街を歩いていると新緑の美しさとたくさんの色とりどりのお花たちに目が奪われてしまいます。今が一年で一番美しく過ごしやすい季節なのかもしれませんね♪

去年までは、山で花を見つけても「綺麗だな!」と思うことはありましたが、心が奪われるようなことはありませんでした。しかしながら、今年は不思議となぜか「花が目に入ってくる」から不思議です。

来月あたりからぼちぼち沢へ入ろうか!と思っています。既に(去年から)「遡行予定計画」があり、行ってみたい沢がいくつかあります。行きたい気持ちとは裏腹に「体の故障」には、充分に気を付けなければなりません。

2年前は右手首を痛め、去年は腰を痛め、今は左膝を痛めて…。特にクライミング時の痛みがひどく(膝を大きく曲げると痛む)週に一度(1時間)の仲間たちとのボルダリングだけで精一杯って感じです。遠距離恋愛中の彼女(Fちゃん)の左膝も数か月前から故障中で近所の病院へ通うも一向に良くならず、先週秋田市内の評判と噂される「膝の専門医」に診てもらった結果「半月板損傷かも知れません。来週MRIで精密検査をします!」とのこと。

前の病院では「膝を動かすように!」と言われ、今回の病院では「安静にするように!」と言われ、まったく真逆のことを言われてしまい困っているようです。彼女の今の夢は「膝を治して箱根の金時山(1,212m )を登って、山頂から富士山の絶景を私と一緒に眺める!」ことのようです。

それを目標に頑張って治療に専念してくれるそうです。最初は「富士山を一緒に登って…」と、言っていた彼女でしたが、いつの間にか「金時山」にすり替わっていました。まずは、手が届く範囲の夢を目指して!でしょうか。

金時山の山頂に構える金時茶屋の「大粒なめこ入りみそ汁」が名物で、とっても評判のようです。私も彼女と一緒に登るのが、とても楽しみです。私も60歳になり、この数年間 体調が万全だったことが稀で、だましだまし山を登ってきた感じです。

末永く山に係わっていこうと思うのであれば、体をいたわりながら無理せずマイペースで登るしかないのかな?って思うついこの頃です。何はともあれ、来月から徐々に沢登りできる体に調子を戻すべく頑張っていこうと思っています。あ~この膝の痛み、早く治ってくれないかな~!てなことで、今週末はリハビリ兼ねて「体と膝に優しい山」に登ってくる予定です。そうそう、お花見も兼ねて行って参ります。


5月10日(火)
カタクリロード in 姫神山

昨日9日(月)は、午前中の予定が空いていましたので、新緑を愛でに近所の姫神山を散策してまりました。姫神山は、過去何度も登っていますが、その多くが1~2月の厳冬期ばかり!5月のグリーン(新緑)シーズンに登るのは、おそらく初めてだと思います。

午後からは仕事(授業)が入っていましたので、そんな時に重宝する姫神山は「近くて良い山」です。今回初めてグリーンシーズンに登ってみて驚いたこと、それは…「姫神山って、こんなにお花がたくさん咲くんだ~!」ってことです。特にカタクリの群生が凄かったです。

登りに一本杉コースを、下りにこわ坂コースを歩き周回したのですが、どちらのルートもカタクリの花で一杯でした(満開のピークが過ぎて終わりかけていましたが、それでも十分楽しめた)。新緑のグリーンシーズンの姫神山も素敵なだ♪って、新たな発見をして目から鱗でした。カタクリ以外にも白い花や様々な花々が可憐に咲き乱れていてウットリしながら(楽しみながら)歩けました。

それに、新緑がとても美しく身も心もとろけそうになりました。登り1時間40分、下り1時間30分、合計3時間10分の「お手軽周回コース」を堪能出来、良い気分転換&体力トレーニングとなりました。

現在、我が家の庭も新緑とツツジの赤やオレンジが咲き乱れ生徒さん達に「綺麗なお庭ですね!」と、よく褒められます。今が一年で一番「美しい季節」なのかもしれませんね。また、暑くもなく寒くもなく丁度良い気温で過ごしやすいです。

帰路、ユートランド姫神にて入浴!平日限定の「盛岡市民割」で何と450円なんです。岩手山を望みながら入浴出来て最高です。その後、上田の幸楽苑でお昼を食べて帰りました。「らーめんランチメニュー」でラーメンと餃子のセットが何と600円で食べられるんですよ♪

朝、自宅を7時30分に出発し①姫神山を登って ②ユートランド姫神にて温泉入浴し ③幸楽苑でランチして…13時前には帰宅でき、午後からの仕事(授業)に余裕で間に合いました。山と温泉とランチの三点セット!しかも、合計 1,050円でタップリ楽しめました♪ちょっとした空き時間を利用しての里山ハイクも楽しいもんですね♪

PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね♪上の写真は、その姫神山にてカタクリの花。下の写真は山頂から岩手山望む。

●『画像掲示板』カタクリロード in 姫神山


5月7日(土)
沢初め?浦子内沢左俣~大仏岳

秋田県のマイナーな山域、太平山地(別名・白子森山地)、主峰の太平山(1,170m)は有名で多くの登山者で賑わいますが、最高峰の白子森(1,179.2m)と今回登った大仏岳(1,166.7m)は廃道状態!ヤブ漕ぎ覚悟で登るか?積雪期に登るしかなく一筋縄ではいきません。大石岳(1,058.8m)は去年刈り払いされ登山道が復活したと聞きます。

西木町と阿仁町の境上にまたがる太平山地第3位の高さを誇る大仏岳は、6年前の2016年4月10日に2回目の挑戦で登頂した思い出深い山です。この時は、堀内沢側より入山し登山口まで5.5キロの (往復 11キロ)長~い林道歩きを強いられ全行程8時間30分も掛かりました。今回は林道歩きが半分(2.8キロ、往復5.6キロ)で済む浦子内(うらしない)林道から沢を登って雪稜を登り山頂を目指してみることに!

このコースは、私が持っている昔の『分県登山ガイド・秋田県の山(1997年度版 )』に記載されているルートですが、現在は全くの廃道で、最近の登山ガイドの山リストからも削除されています。本書によると『測量や造林によっての整備であり、今後の存廃が心配である。道は部分的にヤブ化が進んでおりルートファンディングに注意が必要!』と、既に25年も前に「ヤブ化」と記載されており、それから「四半世紀も経てば、廃道になって当然だろう!」と思った次第です。

近年では、kamadam(ヤマレコ名)さんが同ルートから12日前の4月24日に登られています。雪解けが一気に加速する今の時期、12日も違えば山の様相は全く異なりますが、大いに参考にさせていただきました。私としては、沢を遡行してP783の牛首(尾根)まで登れば、その後は、快適な雪稜歩きで短時間で山頂を踏める!と予想していたのですが…。

昨日5月6日(金)浦子内林道を入って直ぐの橋手前100mの空き地に車をデポし7時出発!浦子内林道は落石や倒木で荒れており、RV車でも進入は厳しい感じでした。車デポ地より林道終点まで歩くこと50分、新緑を愛でながらの林道歩きは気分爽快です。

尾根から登るか?沢から登るか?現地で判断することにしていた私…。尾根には雪がなくヤブ漕ぎ必須!てなことで、浦子内沢左俣を遡行しP783の牛首を目指すことに!今シーズン初の沢登り?しかも、長靴です。雪解けで増水していましたが、厳しい滝も出てこず遡行上特に問題ありませんでした。しかし、中途半端に残っている雪渓の処理(特に踏み抜きとルートファンディング)には神経を使いました。

結局、標高730m付近まで遡行し、そこから先の遡行は危険(特に踏み抜き)と判断!雪を利用し右岸側壁を登りP783の牛首を目指しました。牛首(尾根)まで登れば登山道と合流し、快適な雪稜登りが待っているはず!とウキウキしていました。ところが…期待していた雪は全くなく、しかも、登山道もなく完全なヤブ!この高度で雪が全く無いとは…。まさに想定外!少なからずショックを受け「帰ろうかな?」って、思ったほどです。

でも、もう少し頑張って登ればきっと雪が出てくるはず!雪を求めてヤブ漕ぎ開始!頑張りました(部分的に踏み跡有り)。シッカリと雪が出てきたのは、標高900mからです。やっとヤブから解放されるぞ~!

この日は、猛暑日で下界では30度!山も暑く、猛暑の中のヤブ漕ぎ(汗だく状態)は60歳の身に堪えました。標高1,000m付近のブナ林がとても美しく、身も心が癒され気分最高♪ここからアイゼンを装着し、山頂までの急登を登っていきます。

登ること3時間50分、大仏岳の山頂に到着!今回も晴天に恵まれ絶景を堪能できました♪八幡平~岩手山~秋田駒ケ岳~田沢湖~和賀山塊の山々、そして、森吉山が望めます。当初の予定では、南峰(堀内明神)まで足を延ばす予定でしたが、時間が押していましたので断念!下山を開始することに。それに…猛暑とヤブ漕ぎで体力を奪われ疲れていましたゆえ。下りでは、P972と標高880mの尾根の分岐に注意が必要です(そのまま真っ直ぐ下ってしまわないように!)。

登りで3時間50分、下りでは3時間も掛ってしまい、合計6時50分の山行で久し振りに疲労困憊。しかし、今回のルートは「林道歩き~沢登り~ヤブ漕ぎ~雪稜歩き」の、とても変化に富んだルートでタップリと楽しめました。

帰路、道の駅・雫石あねっこで入浴(温泉)!盛岡イオン内の飲食店、タイガー餃子会館で麻婆豆腐定食・餃子付き(1,188円)を食べて帰りました。麻婆豆腐は山椒が効いた大人の味でガツンと辛く汗だくになりながら食べましたが、美味しかったです。特に餃子が最高!ライスとスープが食べ飲み放題!また行ってみたいお店です。

今回、未知の部分も多く冒険チックな山行で、とてもワクワクして楽しかったです!久し振りのヤブ漕ぎも今となっては良き思い出となりました。残雪期の沢はリスクがあるけど、頭を使いながら登れる楽しさが(まるでパズルを解くがごとく)あって楽しかったです。大仏岳、健脚者向けのバリエーション的な山ですが、眺望が素晴らしく、もっと登られても良い山だと思いました。

PS.『酔いどれ画像掲示板』に今回撮影した写真を掲載しました。ご興味のある方は、ご覧下さいね♪1枚目の写真は、浦子内沢左俣を遡行。2枚目の写真は標高1000mの美しいブナ林。3枚目の写真は大仏岳の山頂にて。右後方に秋田駒ケ岳が見えます。4枚目の写真は標高880mにてヤブ漕ぎ。

●『画像掲示板』沢初め? 大仏岳(1,166.7m)


5月4日(祝)
読書のGW!エベレスト劇場

巷はゴールデンウィーク真っ最中!私は、仕事と読書に明け暮れています。せっかくのGW、一日くらいは残雪期限定ルートから秋田県の大平山地の山(大仏岳)にでも登ろうかな!と考えています。お天気次第ですが…。本日は、兄夫婦が来て 家族皆で特上のお寿司を食べ一家団欒♪ゆっくりと過ごしました(上から2枚目の写真)。

さて、このGWに2冊の本を岩手県立図書館から借りて読みました。①河野 啓著『デス・ゾーン - 栗城史多のエベレスト劇場 -』②山と渓谷社・編『日本人とエベレスト - 植村直己から栗城史多まで -』興味惹かれ熱中して読んでしまい、三日間で読破しました。どちらも考えさせられる良本で、登山に関する考え方やスタイルの変容が良くわかります。

特にデス・ゾーンは、第18回 開高健ノンフィクション賞受賞作!私が長年疑問に感じていた「なぜ、栗城氏は8回目のエベレスト挑戦で死んでしまったのか?」の謎が解けたように思います。本書のキャッチコピー「謎と矛盾に満ちた登山家・栗城史多の実像に迫る!彼の秘密の頂きを求めて読み始めると読者は下山出来ない!」とありますが、まさに読み出したら止まらなくなり、一気に(一晩で)読んでしまいました。

私は当時から栗城氏は「登山家というよりも表現者(エンターテイナー)」なのかな?って思っていましたし、事実そう思っていた山屋も多かったように思います(否定的な意味ではなく)。登山シーンを自撮りでネット生中継!今まで伝えられなかった「夢と冒険」を共有させた功績は大きいです。

しかしながら、8回もエベレストに挑戦し一度も登頂出来なかったのですから、実力不足は否めないのかな?と。夢を持つことは素晴らしいことです。しかし、夢だけではエベレストは登れないです。しかも、単独無酸素となれば尚更!度重なる失敗でネットの「誹謗中傷」は凄かったと言います。

最後の8度目の挑戦時は、エベレストの最難関ルート 南西壁に挑戦(単独無酸素)していることから自殺行為、もしくは「敗退の言い訳」と噂されてもしょうがないのかな?とも思いました。35歳の若さでエベレストで帰らぬ人になってしまった栗城史多氏。植村直己さん同様、彼もまたマスコミやメディアに翻弄された犠牲者なのかも知れない…。栗城氏にとってエベレストは、良くも悪くも「劇場(自分をアピール・表現するための舞台)」だったのかな?と、そう思った次第です。

次に②の『日本人とエベレスト』について。日本人のエベレスト登山50年を初登頂や女性初登頂、各ルートからの登頂、大量遭難、清掃登山、公募隊、最年少・最高齢登頂記録など、テーマに沿って解説している「日本人によるエベレスト登頂の軌跡の歴史」が学べる本です。一昔前まで エベレストは、山のエキスパートのみが許された「特別な場所」でした。しかし、今や高額なガイド料を支払えば案内してくれる「公募隊(商業登山)」の存在を知り、当時は驚いたものです。公募隊を世に知らしめた事件が、1996年のエベレスト大量遭難です。

難波康子さんが亡くなったことでマスコミに取り上げられ、世間一般に知られるようになりました。当時その公募隊に参加していたジョン・クラカワー著の『空へ - エベレストの悲劇はなぜ起きたのか -』は、ベストセラーになり私は何度も読みました。

また、映画化「エベレスト」もされ、これもまた何度も観ました。エベレストの8000mを超えた所で渋滞するなんてビックリ!ヒマラヤの高所経験豊かな登山家でエベレストを5回も登頂した隊長のロブ・ホール自身も亡くりました。エベレストは、ちょっとした判断ミスも許されない世界なのです。

公募隊が可能になった背景には、次の三つが挙げられます。①シェルパが高所ガイドとして成長したこと。②装備の進歩、ハイテク機器の発達(特に衛星電話やインターネットなどの情報通信機器)。③高所気象の精度向上。これらがエベレスト登山の大衆化が一気に進んだ要因のようです。当時で公募隊への参加費用は、一人約800万円(現地までの渡航費は別)だとか…。それを高いと思うか?安いと思うか?

私がヒマラヤを登ったのは1989年 28歳の時、今から33年も前のことです。当時は、まだ7,000m級のヒマラヤ未踏ルートが残されている時代で(我々登山隊も未踏ルートに挑戦)精鋭的な社会人山岳会や大学山岳部OB隊の遠征が主流で「ヒマラヤは自らの力で行く場所!」という認識でした。

それと…メンバー皆が会社を辞めて参加「ヒマラヤに挑む覚悟」みたいなものがありました。ヒマラヤ出発の一年前に退社し、あえて肉体労働の会社に住み込みで働き体を鍛え(遠征資金も貯めて)それでも不安で 毎日10キロのランニングと腕立て200回、腹筋300回を日課にしていました。もちろん、週末は山へ通い技術アップのトレーニングに励んでの挑戦でした。

人によって「山に求める価値感」は違います。また、時代と共に山に対する価値観も多様化し、変わってきている様が本書を読むことで理解できます。これからエベレスト登山は、一体どうなるのか?興味津々です。

私思うに…時代はどうあれ流行がどうあれ「山に対してぶれないこと!自分が心から楽しめる山登りを追及すること!リスクヘッジを常に考えること!」これら三点が肝要ではないか?と思っています。登る技術も大事だけど「生きて還る技術」も学ぶこと!山登りをはじめて40年!強くそう思っています。PS.一番下の写真は28歳の私です。パキスタンヒマラヤ・カラコルム山群のディラン峰(7,257m)北稜ルートC2(5,350m)にて。

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